トイレから処理・再利用までの全体像
人の健康と尊厳を守るサニテーション(トイレ・排水・処理・資源循環)は、国際開発における最重要課題の一つです。しかし、限られた資源、厳しい気候、多様な文化を持つ低・中所得国(LMICs)において、その解決策は一筋縄ではいきません。
こうした現場の多様な状況に対応し、実証された技術を網羅的に整理した世界最高峰のガイドライン、それがEawag(スイス連邦水科学・技術研究所)が発行する『Compendium of Sanitation Systems and Technologies(コンペンディウム)』です。
本サイトの使命と独自性
このコンペンディウムは国際協力の現場で「バイブル」として信頼されていますが、専門的な英語で記された膨大な情報は、これからこの分野を志す日本の学生や初学者にとって、高いハードルとなっているのが現状です。
本サイトは、単なる翻訳の提供ではありません。国際協力の専門家や学習者が、現場で使える知識を最短距離で習得できるよう、以下の「独自の再構成」を行っています。
- 「直感的な理解を助ける再構築」: 複雑に絡み合う5つの機能グループと技術のつながりを、日本語読者の思考に沿って整理し、独自の図解とともに解説します。
- 「体系的な学習ナビゲート」: 57の技術シートと9つのシステムテンプレートを相互に関連付け、初学者がサニテーションの全体像を迷わず把握できるロードマップを提供します。
- 「情報のアクセシビリティ向上」: 英語原文の意図を正確に汲み取りつつ、日本の公衆衛生・国際協力の文脈に即した用語選定を行い、学習の入口としての質を徹底的に追求しています。
本サイトが、国際協力や環境問題に挑む将来の専門家たちにとって、確かな知恵の拠点となることを目指しています。
このサイトで学べること
- 基礎用語の整理
「ブラックウォーター」「グレイウォーター」「バイオマス」など、サニテーションで用いられる専門用語を日本語で解説します。
→ [用語集ページ] - 技術の理解(U/S/C/T/Dの5分類)
トイレや貯留槽から、搬送・処理施設、最終利用までを5つの機能グループに分け、各技術を紹介します。
→ [テクノロジーページ] - システムとしての全体像
9種類の基本的なシステムを通じて、「どの技術をどう組み合わせるか」を俯瞰します。
→ [システムページ] - 学習の進め方
用語 → 技術 → システムの順に理解を深めることで、断片的な知識が全体像として整理されます。
サニテーションを構成する5つの機能グループ(概要)
サニテーションの流れは、以下の5つの機能グループに分けて整理されます。
- U User Interface(ユーザーインターフェース) – 利用者が直接触れる部分
- S Collection & Storage/Treatment (収集・貯留・処理) – 排泄物や排水を一時的に収集・処理
- C Conveyance(搬送) – 生成物を次の段階へ移送
- T (Semi-)Centralized Treatment(集中処理・準集中処理) – 集約された生成物を処理
- D Use and/or Disposal(利用・処分) – 処理後の生成物を利用または処分
👉 詳細な解説と技術一覧は [テクノロジーページ] へ。
システムの全体像(概要)
個別技術は組み合わせることで「システム」となります。
コンペンディウムでは代表的な9つのシステムが提示されています。
- システム1 – 単槽式ピットシステム
- システム2 – 汚泥を生成しない乾式ピットシステム
- システム3 – 汚泥を生成しない簡易水洗ピットシステム
- システム4 – 尿分離型無水式システム
- システム5 – バイオガスシステム
- システム6 – ブラックウォーター浸透処理システム
- システム7 – ブラックウォーター処理・処理水搬送型システム
- システム8 – 集中/準集中処理施設向けブラックウォーター搬送システム
- システム9 – 尿分離型下水道システム
👉 各システムの詳細や構成技術は [システムページ] で紹介します。