概要
小便器は、尿のみを収集するための便器です。男性用が一般的ですが、女性用のモデルも開発されています。多くは水を使った水洗式ですが、近年では無水小便器も普及しています。女性用小便器には足場と傾斜した溝によって尿を集めるタイプ(冒頭の画像:【引用元】https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Female_urinal_at_school_in_India.jpg)などがあり、男性用小便器には壁掛け式やしゃがみ込み式のタイプなどがあります。水を用いる場合は、主に清掃や臭気抑制(水封)を目的とします。

仕組み
小便器は尿専用であり、使用後は尿が直接配管を通じて貯留設備や処理システムに送られます。水洗式では少量の水で洗浄し臭気を抑えます。無水型では、機械的封止、膜、液封などによる臭気防止装置を備えることがあります。また、排水口付近に「的」や「ハエの絵」を描くことで飛散を抑制し、施設の清潔さを保つ工夫が行われています。
入力と出力
適用条件
小便器は家庭用にも公共施設にも導入可能です。特に乾式システム(例:尿分離乾式トイレ)の誤用を防ぐのに有効です。大規模イベント用には携帯型無水小便器も開発されており、大量の尿を収集して適切に処理することで、現場での排水負荷を軽減し、他のトイレを効率的に利用することができます。
適用可能なシステム
- システム4
- システム5
- システム9
長所と短所
長所
- 無水型は水を必要としない
- 地元で入手可能な材料で建設・修理が可能である
- 建設・運用コストが低い
- 公共の場での男性の立小便を減らし、地域環境改善に寄与する
短所
- 正しく使用・維持しないと臭気が発生する
- 女性用モデルはまだ普及が限定的である
設計・運用上のポイント
- 水洗型では、旧式の1回20Lに対して最新型は2L未満とされ、節水型や無水型の導入が推奨される
- 無水型では、排水管を尿タンクに沈めて液封を形成することで臭気と窒素損失を抑制できる(窒素は肥料となる)
- 定期的な清掃が必須であり、特に無水型では頻度が高くなる
- 表面(ボウル、床板、壁)を清掃し、尿由来のカルシウムやマグネシウムの析出を防ぐために酢や温水を用いることが有効である
- 酢酸(24%以上)や苛性ソーダ溶液を用いて堆積物を除去することもあるが、場合によっては手作業が必要となる
- 無水型では臭気防止装置の点検が重要である
まとめ
小便器は、尿を効率的に収集するためのシンプルで有効な技術です。家庭や公共施設、大規模イベントなど幅広い場面で利用でき、快適性と受容性が高い特徴があります。適切な設計と維持管理を行えば、衛生的で水資源の節約にも貢献し、地域社会にとって重要な技術となります。
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