T.12 活性汚泥法(Activated Sludge)

複数のコンクリート製ばっ気槽が並ぶ、活性汚泥処理設備の屋外写真です。茶褐色の汚水が白く泡立ちながら、微生物による有機分解が行われている様子を捉えています。背景には紅葉した樹木と、小さな管理棟が見える広々とした施設の風景です。 準集中処理・集中処理

概要

活性汚泥法は、高濃度の微生物を利用して汚水を浄化する生物処理システムです。この技術は、複数の槽を組み合わたユニットで構成されています。好気的な状態を保つため、微生物に酸素を絶えず供給し続ける必要があります。これにより、汚水中の有機物を分解し、栄養塩を効率よく除去することが可能となります。

仕組み

まず、曝気(ばっき)槽で汚水を激しくかき混ぜ、空気を送り込みます。 すると、微生物が汚水中の有機物を酸化し、水と二酸化炭素に分解します。 次に、微生物の塊(フロック)を沈殿槽において重力で沈降させます。 さらに、沈んだ微生物の一部は、再び曝気槽へと戻され再利用されます。 最後に、上部の澄んだ水は処理水として放流、または高度処理へと送られます。

入力と出力

適用条件

活性汚泥法を導入する際は、必ず以下の条件を確認する必要があります。

  • 高度な管理体制が整った大規模な中央処理施設での運用に適している
  • 機械装置を動かし続けるために、安定した電力供給が可能である
  • 装置の監視やトラブル対応を行う、熟練した専門スタッフの配置が求められる
  • あらゆる気候で適用できるが、寒冷地では処理能力が低下する傾向にある
  • 事前に固形物を取り除く一次処理(浄化槽など)を組み合わせる必要がある

適用可能なシステム

長所と短所

長所

  • 有機物や水量の急激な負荷変動に対して、高い耐性を持っている
  • 多様な汚水の濃度や水量に合わせて、柔軟に運転を調整できる
  • BODや病原体の削減率が非常に高く、BODは最大99%の除去が可能
  • 設計を工夫することで、窒素やリンなどの栄養塩除去も実現できる
  • 放流基準に合わせて、システムを様々に改変して設計可能

短所

  • 空気を送り続けるため、エネルギー消費量と電気代が非常に高い
  • 建設コストだけでなく、日々の運用・維持管理コストも高額になる
  • 専門知識を持つ高度な技術者による設計・施工・管理が欠かせない
  • 化学的・微生物学的なバランスが崩れやすく、トラブルが発生しやすい
  • 交換部品や資材を、常に現地で調達できるとは限らない
  • 発生した汚泥や処理水には、さらなる処理や適切な処分が必要

設計・運用上のポイント

設計のポイント: 汚水の成分や量を正確に見極め、リアクターの規模を決定することが重要です。 目的(BOD除去や硝化など)に応じて、微生物の滞留時間を適切に設定します。

運用・維持管理のポイント: 曝気用のポンプや攪拌機といった機械装置を、常に点検・整備します。あわせて、微生物に悪影響を与える有害物質が流入しないよう監視を続けます。さらに、微生物の塊が適切に形成されているか、水質検査を定期的に行う必要もあります。

まとめ

活性汚泥法は、高い浄化能力を持つ、非常に洗練された汚水処理技術です。 特に、大規模な都市部において、厳しい放流基準を満たすために広く使われています。 ただし、運用には多額の費用と専門家が必須なため、計画は慎重に進めましょう。

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