T.14 非植栽汚泥乾燥床(Unplanted Drying Beds)

汚泥乾燥床で脱水乾燥された汚泥の写真。一見すると土の塊のように見える。 準集中処理・集中処理

概要

非植栽乾燥床は、汚泥の水分を抜いて乾燥させるための透過性の床です。主に、蒸発と濾過によって汚泥の容積を大幅に減少させます。しかし、このシステム単体では汚泥の安定化や消毒は不十分です。そのため、後段でのさらなる処理を前提とした技術と言えます。

仕組み

まず、砂と砂利の層の上に汚泥を最大20cmの厚さで投入します。すると、汚泥に含まれる水分が濾過液(浸出水)として下部へ抜けます。さらに、表面の水分は太陽光や風による蒸発で失われます。通常、10日から15日ほどで汚泥の水分含有率は約60%まで低下します。最後に、乾燥した汚泥は手作業で回収され、後段の処理へと運ばれます。

入力と出力

適用条件

非植栽乾燥床を導入する際は、以下の条件の考慮が必要です。

  • 人口10万人までの小規模から中規模のコミュニティに適している
  • 臭気やハエが発生するため、住宅地から離れた場所に設置される
  • 浄化槽などで一次処理された汚泥の容積削減に効果を発揮する
  • 乾燥を促進するため、高温で乾燥した気候の地域が望ましい
  • 雨の多い地域では、屋根の設置や地表水の流入防止対策が求められる

適用可能なシステム

長所と短所

長所

  • 乾燥した高温の気候において、高い脱水効率を誇る
  • 現地の資材を活用して建設でき、修理も比較的容易
  • 機械装置を必要としないため、建設費や維持管理費が安価
  • 生物処理システムの中でも運用が単純で、頻繁な監視を要しない

短所

  • 設置のために広大な敷地面積を確保する必要がある
  • 悪臭やハエが発生しやすく、近隣の生活環境に影響を与える
  • 乾燥した汚泥の回収作業には、多大な労力が伴う
  • 病原体の削減効果が限定的であり、汚泥の扱いに注意が必要
  • 排出される濾過液(処理水)には、追加の浄化処理が必要

設計・運用上のポイント

設計のポイント: 底部の排水路には、濾過液を取り込むための有孔管が配置されます。その管の上には、粒径の異なる砂利と砂が3〜5層に積み重ねられます。最下層には粗い砂利、最上層には細かい砂が敷かれます。投入口には、砂層の侵食を防ぐためのスプラッシュプレートが設けられます。また、複数の床が並列に設置することで、汚泥を交互に処理できるようになります。

運用・維持管理のポイント: 汚泥の回収時に砂が失われるため、定期的に砂の補充が行われます。 濾過液の排水路は、目詰まりを防ぐために定期的な洗浄を必要とします。なお、汚泥は病原体を含むため、作業員は適切な保護具を着用する必要があります。

まとめ

非植栽乾燥床は、汚泥の容量を効率的に減らせる低コストな技術です。特に、土地に余裕があり、電力を抑えたい地域での導入に強みを持ちます。ただし、衛生面や環境面への配慮から、適切な立地選定と管理が重要となります。

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