概要
浮遊植物池は、ホテイアオイやウキクサなどの浮遊性の水生植物を利用した、仕上げ池(マチュレーションポンド)の改良型技術です。 植物が水面に浮かび、その根が水中へと深く伸びることで、通過する水から栄養分を吸収し、水質を改善します。

仕組み
水面に浮かぶ植物の長い根は、細菌が付着するための固定媒体としての役割を果たします。これらの細菌が、水中を流れる有機物を分解します。ウキクサなどの成長が早い植物は、排水に含まれる栄養分を大量に取り込み、成長の過程でこれらをタンパク質豊富なバイオマスへと変換します。また、ホテイアオイは根による物理的なろ過効果も発揮します。
入力と出力
適用条件
- 十分な土地面積、または既存の池が利用可能である
- 気温が氷点下にならない、温暖な熱帯または亜熱帯気候
- 降水量が多く、水の蒸発が最小限に抑えられる地域が好ましい
- 収穫した植物(バイオマス)を有効活用する需要、または適切に処分・堆肥化する体制がある
適用可能なシステム
長所と短所
長所
- ホテイアオイなどの美しい花により、景観的価値ももたらされる
- 収穫したバイオマスを繊維(ロープやバスケット)や家畜・魚の飼料として活用し、収益化できる可能性がある
- 建設費が比較的安価であり、現地の資材で対応可能
- BODや浮遊物質の削減において効果的
短所
- 設置のために広大な土地を必要とする
- 植物が周辺の自然環境に流出した場合、外来種として生態系を乱す恐れがある
- 病原体の除去効果は、他の高度処理技術ほど高くはない
- 蚊の発生を防ぐために、厳格な収穫管理が必要
設計・維持管理のポイント
浮遊植物池を適切に機能させるためには、植物が水面を完全に覆い尽くして過剰に繁殖しないよう、適時収穫・間引きを行う必要があります。さもなければ、植物の隙間が蚊の繁殖場所となってしまいます。また、収穫したバイオマスは、小規模な工芸品ビジネスの素材や飼料として有効活用するか、あるいは堆肥として適切に処理します。さらに、池の底部に堆積する汚泥を監視し、流入する固形物の量に応じて定期的な引き抜きが必要です。そして、適切な保護具の着用も不可欠です。
まとめ
浮遊植物池は、排水に含まれる栄養分を植物の成長エネルギーとして回収し、同時に水質を改善する自然共生型の技術です。 適切な収穫管理を維持できれば、低コストで環境負荷を低減しつつ、価値あるバイオマス資源を生み出すことができます。


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