T.16 混合コンポスト化(Co-Composting)

インドのベンガルール(デバナハリ町)における、し尿汚泥と都市生ごみの混合コンポスト化(Windrow Co-composting)の様子を捉えた写真です。 屋根付きの施設内で、オレンジ色の安全ベストとマスクを着用した2人の作業員が、手前にある黒々とした堆肥(コンポスト)の山を素手やヘラを使って丁寧に手入れしています。奥にはさらに高く積み上げられた堆肥の山が見え、汚泥と生ごみを混ぜ合わせて資源化する、大規模なリサイクルプロセスの現場を伝えています。 準集中処理・集中処理

概要

混合コンポスト化は、し尿汚泥と有機ごみという2種類以上の原料を、好気的な条件下で微生物(主に細菌や真菌)によって分解・安定化させる技術です。し尿汚泥には水分と窒素が多く含まれています。一方で、有機ごみは炭素が高く、嵩高(かさだか)性(空気の循環を助ける性質)に優れています。これらを組み合わせることで、それぞれの長所を活かした最適な処理プロセスと製品作りが可能になります。

仕組み

まず、原料を混合して堆積させますが、主な方式には「開放型」と「容器型」の2種類があります。開放型では、材料をウィンドロウと呼ばれる長い堆積列にして積み上げ、自然に分解させます。そして、この列を定期的に切り返すことで、内部に酸素を供給し、全ての部分が均一に熱処理されるようにします。一方、容器型は水分や空気供給、攪拌を機械的に制御しますが、設備が複雑になるため通常は分散型施設には適しません。

入力と出力

適用条件

  • 適切に分別された、生分解性の有機ごみの供給源がある
  • プラスチックなどのゴミが混入している場合、事前に厳格な分別作業を行う必要がある
  • 最終製品であるコンポストに対して、対価を払う顧客や利用の需要が存在する
  • 病原体を死滅させるために必要な熱処理プロセス(好熱性プロセス)を制御できる

適用可能なシステム

長所と短所

長所

  • 適切な訓練を受ければ、施設の設置や維持管理が比較的容易である
  • 地域の農業や食料生産を改善する価値ある資源を提供できる
  • 寄生虫卵(線虫卵など)を高い割合で死滅させることが可能である
  • 現地の資材で建設・修理が可能であり、建設費や維持管理費が安い
  • 機械装置を必要とせず、電力なしで運用できる

短所

  • 設置のために、適切に配置された広大な敷地面積が必要となる
  • 最終的な製品が完成するまでに長い貯留(熟成)期間を要する
  • 専門的な設計と、熟練したスタッフによる正確な運用管理が不可欠
  • 切り返し作業などの維持管理には多大な肉体的労力が伴う
  • コンポストは嵩張るため、長距離の輸送は経済的に困難である

設計・運用上のポイント

設計のポイント: 輸送コストを抑えるため、汚泥と廃棄物の発生源に近い場所を選定します。ただし、臭気問題を避けるため住居や店舗からは距離を置きます。気候に応じて、雨風や過度な蒸発を防ぐための屋根を設置する設計が有効です。混合比率は、脱水汚泥であれば汚泥1に対して有機ごみ2〜3、液状汚泥であれば1:5〜1:10程度が目安とされます。ウィンドロウの高さは、内部の熱を均一に保つために少なくとも1m以上確保し、コンポストや土で断熱します。

運用・維持管理のポイント: 炭素・窒素比(C:N比)、水分量、酸素含有量を適切に保つための緻密な管理が必要です。病原体を安全なレベルまで減少させるため、堆積物内の温度を55〜60°Cに維持することが極めて重要です。また、作業員は粉塵や汚泥との接触を避けるため、保護具や呼吸用装備を適切に着用する必要があります。

まとめ

混合コンポスト化は、2種類の廃棄物を組み合わせて有用な肥料へと変える資源循環型技術です。特に、低コストで高度な衛生化を実現できるため、農業利用の需要がある地域での導入に大きな利点があります。ただし、製品の質を担保し安全に運用するためには、徹底した分別の徹底と専門的なプロセス管理が前提となります。

引用

アイキャッチ画像の出典: Windrow Co-composting of faecal sludge with Municipal wet waste, CDD India, Devanahalli Town Municipal Council, Bengaluru, CDD India
CC BY 2.0

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