D.7 浸透ピット(Soak Pit)

乾いた地面に作られた、蓋のない完成した浸透ピット(soak-pit)の写真です。円形の穴の内部には砂利が上端までぎっしりと詰め込まれており、排水がこれらの石の間を通って地中に浸透していく構造がよく分かります。ピットの周囲は乾燥してひび割れた茶色の土壌で、建設作業の跡が見られます。 利用・処分

概要

浸透ピットは、排水をゆっくりと地中に浸透させるための、壁面に穴の空いた被覆型の地下槽です収集・貯留/処理(S)または(準)中央集約型処理(T)の技術から排出される、沈殿処理済みの処理水を処分するために使用されます。

仕組み

浸透ピットに放出された排水(一次処理済みのブラックウォーターグレイウォーター)が土壌を通過する際、細かい粒子は土壌マトリックスによってろ過され、有機物は微生物によって分解されます。このように、土壌自体がフィルターおよび生物学的処理の役割を果たします。

入力と出力

適用条件

  • 土壌に良好な吸収性があること(粘土質、硬く固まった土壌、岩石質の土壌は不適切)
  • 地下水位が低い地域であること(水位が高いと機能しない)
  • 洪水が発生しやすい地域ではないこと
  • 農村部や周辺都市部での利用に適している

適用可能なシステム

長所と短所

長所

  • 現地にある資材で建設や修理が可能である
  • 技術的にシンプルで、あらゆる利用者が適用しやすい
  • 地中に設置されるため、必要な地上面積が小さい
  • 建設費および運用費が非常に安い
  • 臭気がなく目に見えないため、社会的受容性が高い

短所

  • 目詰まりを防ぐために、事前の一次処理(沈殿など)が不可欠である
  • 土壌や地下水の特性に悪影響を及ぼす可能性がある

設計・維持管理のポイント

設計のポイント:ピットの深さは通常1.5〜4mですが、地下水位からは必ず2m以上の距離を保つ必要があります。また、飲用水源(井戸など)からは少なくとも30m以上離して設置します。構造としては、空槽のまま多孔質の材料で壁面を補強するか、粗い石や砂利を充填する手法があります。将来の点検のために、取り外し可能な蓋(通常はコンクリート製)を設置します。

維持管理のポイント: 適切に設計された浸透ピットは、メンテナンスなしで3〜5年程度機能します。目詰まりを遅らせるためには、流入する排水から固形物を事前にしっかりと取り除いておくことが重要です。浸透能力が低下した場合は、内部の材料を掘り出して清掃するか、新しいピットに作り直す必要があります。

まとめ

浸透ピットは、適切に処理された排水を安全かつ低コストで環境に還元するための、非常に効率的な処分技術です。ただし、未処理の排水(生の下水)を直接流すとすぐに目詰まりを起こし、機能しなくなるため、適切な前段処理とセットで導入することが不可欠です,。

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