D.13 バイオガス燃焼(Biogas Combustion)

オレンジ色のタイル張りのキッチンカウンターに設置された2つのバイオガスコンロが、青とオレンジの炎を上げて燃焼している様子を捉えた写真。コンロは緑色の金属製で、ガス管が接続されている。背景には壁に掛かった調理器具や複数の土鍋があり、窓の外には緑豊かな庭が見える。 利用・処分

概要

バイオガス燃焼は、バイオガスリアクター(S.12)などで生成されたバイオガスをエネルギーとして利用する技術です。家庭レベルでは主に調理用の燃料として利用されます。また、大規模な施設では発電用としても利用されることもあります。バイオガスはメタンを55〜75%含んでおり、1立方メートルあたり約6〜6.5kWhのエネルギー量を持っています。

仕組み

バイオガスは、他の燃料ガスと同様に燃焼させて利用できます。家庭での調理に使用する場合、1人1食あたり150〜300リットルのガスを消費するのが一般的です。燃焼効率は用途によって異なり、コンロでの利用が55%と最も高く、エンジン駆動では24%、ランプでの照明利用は3%にとどまります。大規模なプラントでは、排熱を有効利用する熱電併給(CHP)システムにより、最大88%という高い効率を達成できます。

入力と出力

適用条件

  • バイオガスリアクター(S.12)などのガス供給源が近接していること
  • 従来のエネルギー源(薪や炭など)に代わるエネルギー需要がある地域
  • ガスの燃焼特性(少ない空気で燃焼する)に合わせ、ノズルや穴を大きく調整した専用のガス器具を供給できる

適用可能なシステム

長所と短所

長所

  • 無料で手に入るクリーンなエネルギー源
  • 煙が発生しないため、室内空気汚染を軽減し、呼吸器疾患のリスクを減らすことができる
  • 薪の代わりに使用することで、森林破壊の抑制に貢献する
  • 適切に施工・管理されていれば、爆発や健康被害のリスクは極めて低い

短所

  • 貯蔵が難しいので、継続的に消費し続ける必要がある
  • エネルギー需要をすべて賄うには不十分な場合がある
  • あらゆるエネルギー源の代替えにはなり得ない

設計・維持管理のポイント

設計のポイント: ガスの搬送距離が長くなると漏えいや損失のリスクが高まるため、リアクターはガスの利用場所にできるだけ近い場所に設置します。配管の最も低い位置には、ガス中に含まれる水蒸気が結露して溜まるのを防ぐため、ドリップバルブ(水抜き栓)を設置しなければなりません。

維持管理のポイント:配管内の結露による閉塞や腐食を防ぐため、水抜きトラップから定期的に水を排出します。さらに、ガス漏れを防ぐため、訓練を受けた職員による配管や器具の定期点検も必要です。また、途上国では調理用の場合は通常、二酸化炭素の除去(スクラビング)は必要とされません。なお、エンジンを駆動させる場合は、腐食の原因となる硫化水素の除去処理が必要となります。

まとめ

バイオガス燃焼は、し尿や有機廃棄物から価値あるエネルギーを取り出す、資源循環の最終工程となる技術です。特に農村部や開発途上国においては、薪や炭に代わる安全で持続可能な調理用燃料を提供し、家計の負担軽減と環境保全の両立に大きく貢献します。

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