システム7:ブラックウォーター処理・処理水搬送型システム (Blackwater Treatment System with Effluent Transport)

「システム 7:ブラックウォーター処理・処理水搬送型システム」の全体像を示すフロー図です。水洗トイレから発生したブラックウォーターを、まず浄化槽やABR(嫌気性バッフル反応器)などのオンサイト施設(S.9-S.11)で一次処理します。このシステムの最大の特徴は、一次処理された「処理水」を、簡易下水道や固形物除去型下水道(C.4, C.5)を通じて集中処理施設へ「搬送」する点にあります。搬送された水はさらなる高度処理(T.1-T.12)を経て、最終的に「放流(D.11)」や「養魚池(D.9)」などで再利用・処分されるまでのプロセスを体系的に描いています。 システム

ブラックウォーター処理・処理水搬送型システムの概要

このシステムは、家庭レベルの技術を用いてブラックウォーターから沈殿可能な固形物を除去・消化し、その処理水簡易下水道(C.4)または固形物除去型下水道(C.5)を通じて(準)集中処理施設へと搬送する仕組みです。家庭内の収集・貯留施設がインターセプタータンク(捕捉槽)として機能するため、固形物を含まない液体分のみを効率的に運ぶことができます。

特徴

  • 家庭レベルでの固液分離と、下水道による液体分の搬送を組み合わせたシステムである
  • 処理水に沈殿可能な固形物が含まれないため、小口径で浅い勾配の下水道を利用できる
  • システム6(ブラックウォーター浸透処理システム)と比較して、処理水の管理をオンサイトの浸透ではなくオフサイトへの搬送で行う点が異なる
  • 既存の性能の低い収集施設(浄化槽など)をアップグレードし、より高度な処理を提供する方法として活用できる

入力生成物

このシステムで管理される主な生成物は以下の通りです。

5つの機能グループ別・使用テクノロジー

① ユーザーインターフェース (U)

利用者は、水を用いて排泄物を流す以下のインターフェースを使用します。

② 収集・貯留・処理 (S)

排出されたブラックウォーターは、以下のいずれかの施設で固液分離と嫌気性処理を受けます。

③ 搬送 (C)

このシステムでは、液体(処理水)と固形物(汚泥)で異なる搬送技術を用います。

• 処理水の搬送:簡易下水道 (C.4) または固形物除去型下水道 (C.5) を通じて処理施設へ送る

• 汚泥の搬送:収集施設に蓄積した汚泥を人力 (C.2) または機械 (C.3) によって汲み取り、汚泥処理施設(または中継ステーション C.7)へ運ぶ

④ 集中処理・準集中処理 (T)

搬送された生成物は、それぞれの性質に応じた専門の施設で処理されます。

  • 処理水の処理:T.1からT.12の技術(安定化池、人工湿地、散水ろ床など)を組み合わせて処理する
  • 汚泥の処理:T.13からT.17の技術(沈殿・濃縮池、乾燥床、混合コンポスト化など)で処理する

⑤ 利用・処分 (D)

最終的に浄化された水や安定化した汚泥は、環境に還元または再利用されます。

導入にあたっての考慮事項

  • 土壌の浸透能力が低く、現地での処理水処分が困難な都市部に適している
  • 下水道の埋設位置を地表に近い浅い場所に設置できるため、地下水面の高い地域でも建設が可能である
  • パイプの継ぎ目などをしっかりと密閉(水密化)することで、外からの地下水の浸入や、中からの汚水の漏出を確実に防ぐことができる
  • システムの成否は、下水道ネットワークの運用・メンテナンスに対する利用者の高い関与に依存する
  • 一箇所の不適切な管理が全体の詰まりを招く恐れがあるため、各家庭の捕捉槽における定期的かつ体系的な汚泥汲み取りが不可欠である

まとめ

システム7は、オンサイトでの固形物管理とオフサイトでの高度な液体処理を統合した、都市環境に適した衛生ソリューションです。処理水を下水道で一括搬送することで、オンサイト浸透による地下水汚染や土壌飽和のリスクを回避できます。ただし、このシステムの持続性を確保するためには、下水道の詰まりを防ぐための適切な前処理、および汚泥汲み取りサービスの安価で安定した提供が運用上の鍵となります。

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