集中/準集中処理施設向けブラックウォーター搬送システムの概要
このシステムは、ブラックウォーター(黒水)を直接、集中または準集中処理施設へと搬送する水洗式の下水道システムです。このシステムの最大の特徴は、各家庭などの現場における収集・貯留・処理(S)の工程が一切存在しない点にあります。

特徴
- 現場での処理や貯留を行わない
- すべてのブラックウォーターをオフサイト(現場外)の処理施設へ搬送する
- 搬送過程でグレーウォーター(生活雑排水)を混合させることで、下水管内の固形物の堆積を防止できる
- オンサイト(現場)での貯蔵や汲み取りのスペースを確保できない高密度な都市部や都市周辺部に適している



入力生成物
このシステムで管理される主な生成物は以下の通りです。
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5つの機能グループ別・使用テクノロジー
① ユーザーインターフェース (U)
利用者は水を用いて排泄物を流す以下のインターフェースを使用します。
- 簡易水洗トイレ (U.4)
- 水洗トイレ (U.5)
- 小便器 (U.3):追加で設置可能
② 収集・貯留・処理 (S)
このシステムでは、家庭レベルでの収集・貯留・処理技術は使用されません,。
③ 搬送 (C)
生成物は下水道ネットワークを通じて直接処理施設へ運ばれます。
④ 集中処理・準集中処理 (T)
搬送されたブラックウォーターおよび汚泥は、専門の施設で処理されます。
- ブラックウォーターおよび処理水:T.1からT.12の技術(安定化池、人工湿地、散水ろ床、活性汚泥法など)を組み合わせて処理する
- 汚泥:T.13からT.17の技術(沈殿・濃縮池、乾燥床、混合コンポスト化など)で処理する
⑤ 利用・処分 (D)
最終的に浄化された水や安定化した汚泥は、環境に還元または再利用されます。
- 処理済み水の利用・処分:灌漑 (D.6)、養魚池 (D.9)、浮遊植物池 (D.10)、または放流/地下水涵養 (D.11)
- 処理済み汚泥の利用・処分:施用 (D.5) または地表処分・保管 (D.12)
導入にあたっての考慮事項
- オンサイトでの貯蔵や汲み取りが困難な、人口密度の高い都市部において非常に有効である
- 下水道ネットワークが高い水密性を備えていれば、地下水面が高い地域でも導入が可能である
- 下水道の閉塞を防ぐため、常に一定量の水が供給される環境でなければならない
- 乾式清浄材はシステムで処理可能だが、別途収集して地表処分(D.12)することも推奨される
- 従来型重力式下水道(C.6)は大規模な掘削を伴うため建設費が高く、簡易下水道(C.4)であってもオンサイト施設がない分、オフサイトの処理施設には多額の資本投資が必要となる
- 接続する既存の処理施設に、追加される流量を受け入れる十分な容量があることを事前に確認する必要がある
まとめ
システム8は、各家庭での処理を省き、公共の下水道インフラによって汚水を一括管理する都市型の衛生アプローチです。このシステムは、現場での汚泥汲み取りを不要にすることで住民の利便性を高める一方、処理施設の適切な運用と下水道網の維持管理には専門的な技術と継続的な資金投入を必要とします。大規模な集中管理によって環境負荷を制御し、処理水を灌漑や地下水涵養に活用することで、都市レベルでの水循環を支える基盤となります。


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