単槽式ピットシステムの概要
このシステムは、ひとつのピットを使用して排泄物(尿と糞便の混合物)を収集・貯蔵する仕組みに基づいています。ユーザーインターフェースの選択により、洗浄水(水洗水)を使用する場合と使用しない場合の両方に対応可能です。

特徴
- 建設コストが非常に安価なシステムの一つである
- 地面を掘りやすく、液体が地中に浸透しやすい地方や都市周辺部に適する
- 土壌の吸収能力が高く適切な環境であれば、汲み取りなしで20年以上使用できる場合もある



入力生成物
このシステムで管理される主な生成物は以下の通りです。
5つの機能グループ別・使用テクノロジー
① ユーザーインターフェース (U)
ユーザーが使用するトイレの部分として、以下の技術が選択肢となります。
- 乾式トイレ (U.1)
- 簡易水洗トイレ (U.4)
- 小便器 (U.3) – 上記に追加可能
② 収集・貯留・処理 (S)
トイレは、以下のいずれかのテクノロジーに直接接続されます。
- 単槽式ピット (S.2)
- 単槽式VIP (S.3):通気管により臭気やハエの発生を抑える
③ 搬送 (C)
ピットが満杯になった際に、溜まった汚泥を運び出す技術です。
- 人力による汲み取り・輸送 (C.2)
- 機械による汲み取り・輸送 (C.3):バキューム車など
- 中継ステーション (C.7):処理施設が遠い場合に一時的な貯留場所となる
④ 集中処理・準集中処理 (T)
汲み取られた未処理の汚泥は病原性が高いため、以下の汚泥処理施設で適切に処理する必要があります。
これらの処理施設では、固形分である汚泥の処理と同時に、液体成分である処理水も生成されます。なお、汚泥処理施設から発生する処理水は、最終的な利用や処分の前にさらなる処理を必要とする場合があります。そうした場合には、安定化池 (T.5)、や人工湿地 (T.7-T.9) などが用いられます。
⑤ 利用・処分 (D)
最終的に資源として再利用、または安全に環境に戻す処理です。
- 覆土式トイレ/アーボルー (D.1):満杯のピットに土を被せ、その上に木を植える方法
- 処理済み汚泥の施用 (D.5) または 地表処分・保管 (D.12)
- 処理水の利用・処分は:灌漑 (D.6)、養魚池 (D.9)、浮遊植物池 (D.10)、または 放流/地下水涵養 (D.11)
導入にあたっての考慮事項
- 地下水汚染を避けるため、ピットの底は地下水面から少なくとも2メートル以上離す必要がある
- 大雨や洪水が起きやすい場所ではピットから汚物が溢れ出す危険があるため推奨されない
- 密集した都市部では、新しいピットを掘るスペースや汲み取り車両がアクセスする通路の確保が難しい
まとめ
システム1は、例えるなら「庭にバケツを一つ置いて、ゴミ(排泄物)を溜める」方法です。バケツがいっぱいになったら、そのまま土を被せて花や木を植えるか、あるいは専門の業者に頼んで中身を処理場まで運んでもらわなければなりません。このように、非常にシンプルで安上がりですが、バケツが溢れたり、底から汚い水が染み出して周りの井戸を汚したりしないよう、場所選びと「後始末」をしっかり計画することが大切です。


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