バイオガスシステム (Biogas System) の概要
このシステムは、バイオガスリアクター (S.12)を使用して排泄物を収集・貯蔵・処理する技術に基づいています。このプロセスでは、酸素のない状態でバクテリアが有機物を分解し、調理や照明、あるいは発電に利用できるバイオガスが生成されるのが最大の特徴です。

特徴
- 排泄物から再生可能エネルギーであるバイオガスを回収できる
- 家畜の糞尿や市場・台所の生ゴミなどの有機物も一緒に投入し、一括処理することが可能である
- リアクターを地下に建設できるため、地上のスペースを有効に活用できる
- 処理後に出る消化液(汚泥)は栄養分が豊富であり、優れた肥料として利用できる



入力生成物
このシステムで管理される主な生成物は以下の通りです。
5つの機能グループ別・使用テクノロジー
① ユーザーインターフェース (U)
利用者が使用するトイレとして、以下の水洗式技術が選択肢となります。
- 簡易水洗トイレ (U.4)
- 尿分離式水洗トイレ (U.6):尿を資源として別に回収したい場合に適用
- 小便器 (U.3):追加で設置可能
② 収集・貯留・処理 (S)
投入された排泄物や有機物は、リアクター内で嫌気性消化されます。
- バイオガスリアクター (S.12)
- 尿貯留タンク/容器 (S.1):尿を分離する場合に適用
③ 搬送 (C)
生成物の性質や利用目的に応じて、以下の搬送技術が使われます。
- 生成された汚泥(消化液)は重量と体積が大きいため、通常は現地でそのまま利用する
- 貯留された尿はポリタンク (C.1) または機械による汲み取り・輸送 (C.3)で運搬する
④ 集中処理・準集中処理 (T)
リアクターから排出される消化液は完全に無菌ではないため、取り扱いには注意が必要です。
• 利用目的に応じて、植栽汚泥乾燥床 (T.15)などの施設で追加の処理を行う
⑤ 利用・処分 (D)
最終的にエネルギーや資源として回収、または安全に環境に戻されます。
- バイオガス燃焼 (D.13):ガスを調理や照明の燃料として直接使用する
- 汚泥の施用 (D.5) または地表処分・保管 (D.12)
- 尿の貯留尿の施用 (D.2):分離して回収した場合
- 浸透ピット (D.7) や放流/地下水涵養 (D.11):液体成分の処理・処分
導入にあたっての考慮事項
- 定期的に有機物を供給する必要があるため、家畜を飼育している農家や有機ゴミが豊富な地域に最適である
- 家畜の糞尿を混ぜて処理することで、人間だけの排泄物よりもはるかに多くのバイオガスを得ることができる
- リアクター内の滞留時間を短縮させ処理効率を下げてしまうため、グレーウォーターを投入してはならない
- 木材やわらなどの分解しにくい材料の投入は避けるべきである
- 分解を促進しタンク内での反応を均一にするため、大きな有機物は細かく砕いてから投入する必要がある
まとめ
システム5は、オンサイトでの資源回収を最大化する統合的な衛生システムです。嫌気性消化プロセスを利用することで、排泄物に含まれる有機エネルギーをバイオガスとして抽出し、同時に栄養分を保持した安定的な消化液を生成します。この仕組みは、公衆衛生の向上に寄与するだけでなく、化学肥料への依存低減や温室効果ガスの抑制にも資する、持続可能な資源循環型のアプローチです。


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